京都府 草喰 なかひがし
中東 久雄 NAKAHIGASHI Hisao
山川草木の食材に敬意を込めた料理、盛りつけに四季を映す
京都洛北に広がる大原の山野に、中東久雄さんは毎朝欠かさず現れる。「毎朝、山に草を摘みに行って、山の気を感じています。この山の気を料理に表現してお客様に届け、心を元気にしてほしいと願っています」。中東さんの料理からは自然に対する尊敬の念、食材への敬意が伝わってくる。「日本は野菜の極楽浄土です。水も土も豊かで四季がある。野菜の収穫期は主に夏と冬ですが、春には山菜や野草、秋にはきのこや木の実と、自然が補ってくれます」。走りと名残りの食材の組み合わせも絶妙で、単なる季節感以上のものを与えてくれる中東さん。「野菜フェチとしては、日本料理はなんで野菜を使わないんだろうと思いますね」
食べられるものは全て食べ尽くす 自然を守ることが料理人の使命
今の中東さんの考え方を形成する大きなきっかけは、美山のお百姓さんに言われた言葉だ。「われわれ百姓は土を作って種をまいて太陽と水で手当てして野菜を育てる。収穫の時期になると台風や獣が来て荒らされる中での品物や。料理人は野菜のいいところを持っていくから、美味しい料理を作れるに決まっている。残されたものは売れないものばかり。本当はそういう残ったところを美味しくするのが料理人の仕事じゃないのかい」。それで毎日山に行って草木の成長を見ることを長年続けてきた。「生きるために食べる。食材は自然の中から生まれる。その自然を守ることで生活全体が持続可能になる。料理人の使命もそこにある」
2月の八寸
カブを使った椿は中東さんのスペシャリテ。牡蠣の佃煮、イワシの燻製に大豆を挟んだもの、かぶら寿司、酒粕に栃餅の粉やカラスミをまぶした鬼の目玉。
白ミソ椀
タマネギとカラシタマネギの葉で、石を投げて波紋ができた中に、魚に見立てた緑の葉が泳ぐ。網目の器は、網の中で泳ぐ魚をイメージしている。中東さんの「見立て」を感じる料理。
主食 ご飯、味噌汁、めざし、香の物
「メインディッシュ」として出されるのは信楽の羽釜で竈炊きしたご飯と炭焼きした山口県萩のめざし。草喰なかひがしの料理はすべて、このメインディッシュを味わうための前菜と位置付けている。
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「草喰なかひがし」は今年、開店25周年を迎えました。小生も古来稀と相成りました。体が欲する食事をいただけるよう、日々精進していきたいと思います。...
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草喰 なかひがし
所在地 | 〒606ー8406 京都府京都市左京区浄土寺石橋町32ー3 |
電話番号 | 075-752-3500 |
店舗ホームページ | http://www.soujiki-nakahigashi.co.jp/ |
営業時間 | Lunch 12:00-14:00(L.O13:00) Dinner 18:00-21:00(L.O19:00) |
定休日 | 祝日、月末火曜日 |
駐車場 | 最寄りの駐車場をご利用ください。 |
料金 | Lunch =10,000円 Dinner=15,000円 |
豪邸町家でシェフ自ら食材探しに山野へ出かけるグランメゾン
Restaurant MOTO Ï(モトイ)
所在地 | 京都市中京区富小路ニ条下ル俵屋町186 |
電話番号 | 075ー231ー0709 |
店舗ホームページ | http://kyoto-motoi.com/ |
仏プロヴァンス出身、日本文化を勉強し、ステファン料理を創り上げた
RYORIYA Stephan Pantel(ステファン パンテル)
所在地 | 京都市中京区柳馬場通丸太町下ル4丁目182 |
電話番号 | 075ー204ー4311 |
店舗ホームページ | http://www.stephanpantel.com/ |
毎朝、草摘みに行って感じた山の気を
摘み草料理で知られる京都・花脊の料理旅館、美山荘に生まれ育ち、少年時代から家業の手伝いにいそしむ。高校卒業後、本格的に料理の道へ入り、美山荘の料理長として27年間勤務。1997年4月に草喰なかひがしを開く。大原の地野菜の魅力を多くの京阪神の料理人に発信し、地場の農業振興にも多大な貢献を果たしている。2012年ブロンズ賞、16年京都和食文化賞、17年シルバー賞、22年ゴールド賞受賞。1952年京都府生まれ。料理に表現して届けます