三重県 志摩観光ホテル
樋口宏江 HIGUCHI Hiroe
温暖化への対応で志摩観光ホテルの料理が静かに変わりつつある
樋口宏江さんが総料理長を務める志摩観光ホテルの料理が変わってきたと思わせる状況が静かに進行中だ。変化の原点は2016年の伊勢志摩サミットで志摩観光ホテルが会場になったことにある。それまでホテルの中で食材を扱っていた樋口さんは、日本をアピールするためにも地元以外の食材を使うことになり、食材生産者を訪ねてネットワークが広がっていった。さらに最近の自然環境の変化もあって、志摩産のアワビ、イセエビと松阪牛が定番だった食材も、三重県産の養殖の伊勢まだいを使うなど「天然物と養殖物のバランスも考慮する」ようになった。食肉処理技術に優れた生産者と知り合えたことで、これまで扱うことのなかった志摩産の鹿肉も出すようになった。
「調理方法が食文化になる」環境変化の中で出した一つの回答
お客さんはアワビのステーキやイセエビのクリームスープを楽しみにホテルを訪れる。しかし、気候変動の影響を受けて、名物料理の食材が獲れなくなってきている。地産地消のイメージを取るか、現状の地産のもので対応するか。地方の料理人たちが共通して抱える課題に樋口さんは一つの回答を出した。アワビが地場産でなくとも、大根と一緒に煮る下処理を施す調理法で志摩観光ホテルのアワビのステーキになる。「レストランの調理方法自体が食文化となり、食材だけに頼らないこの地ならではの料理」を構築しつつある。自然環境の変化で地産食材が使えないとの説明が、実は気候変動の影響を食べ手に伝える役割を果たしてもいる。若手を生産者訪問に同行するなど後進の育成にも力を入れる。
尾鷲からの海の幸 南伊勢の柑橘の香り
アカハタ、アオリイカ、ガスエビ、カツオなどを一皿に盛り込んだ。地元でとれる季節の魚介をマリネや炙りにしたもの、ガスエビのカクテルなどを盛り、南伊勢から届く柑橘のソースやフレッシュな果実を添えてさわやかな前菜に。
伊勢海老 サフラン風味
伊勢海老を軽くボイルした後、オリーブオイルをかけながら食感を大切に火を入れる。伊勢海老、魚をベースにサフランの香りを生かしたソースを添えて。
鮑のポワレ ネギと鮑のフリット 緑のソース
米沢餅麦のリゾットの上に鮑のステーキをのせ、鮑を整形する際に出た部分と白ネギの千切りをフリットにしてあしらった。鮑を大根と3時間炊く下処理の煮汁と春菊、白ワインのソース。
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志摩観光ホテル
所在地 | 三重県志摩市阿児町神明731 |
電話番号 | 0559 ー43 ー1211 |
店舗ホームページ | http://www.miyakohotels.ne.jp/shima/ |
営業時間 | フレンチレストラン「ラ・メール」 Dinner 17:30-21:00(L.O19:30) レストラン「ラ・メール ザ クラシック」 Lunch 11:30-14:30(L.O14:00) Dinner 17:30-21:00(L.O19:30) |
定休日 | 無 |
駐車場 | 有 |
料金 | Lunch = 9,800円〜 Dinner=19,800円〜 |
心熱いシェフのおいしいお料理と素敵なサービスで楽しいひとときを
フランス料理 ボン・ヴィヴァン
所在地 | 伊勢市本町20ー24 |
電話番号 | 0596ー26ー3131 |
店舗ホームページ | http://bonvivant1983.com/ |
イタリアの郷土料理。注文を受けてから製麺する自家製パスタが人気
Osteria Labbra
所在地 | 伊勢市吹上1ー9ー1 |
電話番号 | 0596ー22ー4455 |
店舗ホームページ | http://labbra.luna.bindsite.jp/ |
伝統の味への期待に応えつつ
1991年に志摩観光ホテルに入社、調理業務を担当。2008年、志摩観光ホテルのザ ベイスイートのオープンに伴い、フレンチレストラン「ラ・メール」のシェフ。14年志摩観光ホテルの第7代総料理長に就任。16年G7伊勢志摩サミットのワーキング・ディナーを担当。23年フランス農事功労章「シュヴァリエ」受章。1971年三重県生まれ。自分なりの革新的な料理に挑戦