山形県 アル・ケッチァーノ

奥田政行 OKUDA Masayuki

一目見たときに奥田の料理だと
分かる料理を作りたい

東京でイタリアン、フレンチ等の修業の後、鶴岡ワシントンホテルの料理長を経て、2000年アル・ケッチァーノをオープン。地場イタリアンのシェフとして、地元の山海の幸を探し求め、在来作物を発掘するなど、庄内地方の生産者の方々と協働し、食の都・庄内を国内・世界に向け発信している。10年ブロンズ賞受賞。16年シルバー賞、23年ゴールド賞受賞。1969年山形県生まれ。

4つのSがエッセンス、 鶴岡をユネスコ食文化都市に

奥田さんは自分の料理の特徴は4つの「S」だという。「新鮮、シンプル、スピーディ、創造」の頭文字で、食べるとまさにこのキーワードを実感する。地元の生産者が作った新鮮な食材を、なるべく余計な手を加えずに素早く仕上げる。在来野菜や山菜などの食材を生かした、庄内であればこそできる独創的な料理。「その料理を一目見たときに、奥田の料理だと分かる料理を作りたい」という。以前から庄内を食の都にして活性化していこうと活動、奥田さんの貢献もあって、地元の鶴岡市は2014年12月にユネスコの創造都市ネットワークの食文化部門で、日本の都市で初めての加盟が認められた。

生産者に育てられた料理人、後継生産者を育てる

奥田さんは物々交換で生産者とつながっている。生産現場を訪れてもらった果物ジュースを、途中で訪ねた生産者に渡し代わりにネギをもらう、そのネギを持ち帰ってパスタを作る。まるでわらしべ長者のようなつながり方だ。奥田さんの周りにいる生産者は個性的で、オンリーワンの技術と信念を持つ。奥田さんを支えてきた生産者たちは奥田さんの親世代に当たり、いま世代交代の時期にある。農業で後継者を得ることが難しい時代に、奥田さんの周りでは世代交代を果たしている。地域の魅力ある食材が料理を育て、その料理によって食材生産者がブランドになる、その循環ができ上がっている。

丸山さんの羊のローストとミヤマイラクサ

だだちゃ豆を食べさせ育てるサフォーク種の羊のロースト。羊のかすかな苦味と同じレベルの苦味を持つ山菜の女王ミヤマイラクサと、タイムの小枝に塩を結晶させた樹氷塩と。

新玉ネギの90℃調理

植物は94℃で食物繊維が破壊され、柔らかくなる。さらに色もつけたくないので90℃で1時間半火を入れ、甘味と食感にスクープする。玉ネギの食感がしっかりしていながらも、チーズの塩味と酸味が玉ネギの甘みと見事に溶け合う。奥田さんはこれを「食べるオニオングラタンスープ」という。

サクラマスとウルイ カリカリにんにくのあつあつペペロンチーノがけ

山形県の県魚であるサクラマスは、時期になると必ず食卓にのぼる春を告げる魚。身がきめ細かいので火が入るとパサついて口に残るが、ウルイのみずみずしさとカリカリにしたニンニク、熱々のオイルで火の入ったサクラマスに足りないものを全てを補って食べてもらう一品。 

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料理人のひとりごと

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お店情報

アル・ケッチァーノ

所在地 山形県鶴岡市遠賀原稲荷43
電話番号 0235-26-0609
店舗ホームページ https://alchecciano.com/tsuruoka/
営業時間 Lunch 11:30-15:00 (LO13:30)
Dinner 18:00-22:00 (LO 20:30)
定休日 月曜日(祝日の場合、翌火曜日)
駐車場 有(大型バス可)
料金 5,500円~15,000円

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