奈良県 白 Tsukumo

西原 理人 NISHIHARA Masato

異なる時代感、異なる味を対峙したまま
混ぜずに味わってほしい

高校を卒業後、1995年に京都吉兆嵐山本店に入り、10年間修業を積む。その後、軽井沢の蕎麦の名店、東間を経て、09年にアメリカ・ニューヨークにある精進料理の店、嘉日の初代料理長就任。10年にはRising star chef賞に選出される。12年、イギリス・ロンドンの懐石料理店、UMUへ移り、15年に帰国後、奈良市に白 Tsukumoを開業。現在に至る。1977年、福岡県生まれ。

未完の美という感性で伝統を
基に新しい探求の手を加える

奈良市に日本料理店を構える西原理人さんの店名は「白」と書いて「つくも」と読ませる。この店名には、百から一を取り除いた文字が「白」、そして百から一を引いた数が九十九(つくも)、この2つを合わせて店名としている。九十九と百の間にある精神的な大きな距離を意識して、驕らぬ心とさらに上を目指す姿勢が西原さんの心構えを表している。京都で10年間、懐石料理を学んだが、その奥には茶懐石料理があり、さらにそれが精進料理から生まれたことを知る。原点となる日本の料理を「日本の都ではなく、世界の最先端都市ニューヨークでやろう」というアンビバレントな精神と感性が西原さんの料理の根っこにあるように見える。

古と今、異なる2つが混ざらずに
寄り添ってこそ感動を呼ぶ料理

日本料理は本来1つにまとまった良さが美学だが、「あえて1つにせずに造るムラ、いい意味でのマーブル」が西原さんは好きだという。修業時代同僚だった鮒寿司屋7代目に頼んで、日本最古の吉野の鮎の熟れ鮓の味を復活させた。出来立てのシャリに古の飯(いい)を加えてできたのが自家製の柿の葉寿司。シャリの粒々感と飯の風味が口の中で補完しながら味を出す。あるいは、十三夜の名月という椀物。卵豆腐を月に見立て下にスッポンスープ、上に一番出汁と、あえて2層のスープにして混ぜずにすすってもらう。異なる時代感、異なる味を対峙したまま味わってもらいたいという西原さんの料理は、古の都・奈良の食材を巻き込んで深化を続ける。

藤原宮跡蓮池の水面

蓮の根の葛餅 赤玉葱の薄皮 金蓮花の葉 を用いて水面に浮かぶ蓮の情景を映し出しております。 蓮根は大和伝統野菜の筒井蓮根 金蓮花は五條市の農家さんから頂いております。

紅葉前線野菜のテリーヌ

ニューヨークの精進料理店”嘉日”時代に考案したひと品です。 遠くアメリカの地で日本をどうやって表現するかを考え俯瞰で日本を見た時、秋の始まりは北の北海道から始まりその紅葉が南下していく紅葉前線を野菜で表現して作りました。

吉野の夜桜

炭焼き後、倒木吉野桜のチップで燻製した大和牛の上にマッシュピンクポテトの桜の練り切りを飾ります。  桜マッシュの中には吉野卵の黄身(温度卵)が射込んであり、上には吉野桜の塩漬けをトッピングしております。 夜桜の演出には黒沓茶碗を用いて、竹炭をまぶして揚げた宇陀金牛蒡の掻き揚げを添えております。

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料理人のひとりごと

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お店情報

白 Tsukumo

所在地 奈良県奈良市紀寺町968
電話番号 0742-22-9107
店舗ホームページ http://tsukumonara.com/
営業時間 18:00(LO19:00)
定休日 月曜日、毎月最終日、不定休
駐車場
料金 25,000円~

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