鳥取県 かに吉
山田達也 YAMADA Tatsuya
従来のかに料理の概念を変える
すべて極上状態で松葉蟹を提供
30年前、冷凍物も使う一般的なかに料理屋だったかに吉を継いだとき、「お客も少なく、これでいいのかと悩んだ」結果、山田達也さんは営業方針を変えた。自ら仲買の資格を持つ浜坂漁港で、その日に取れた最高の松葉蟹だけを出す店として再出発し徹底研究。かにすきでは、松葉蟹の足を一本ずつ慎重に火入れし、食べる瞬間に殻から身を外してお客に手渡し頬張ってもらう。かにの繊維がほどけるようにスッと喉へ入り、口中にはかにの身から滴る甘露が残る。かに刺しではスポイトに入った醤油を一滴垂らして、生のかにの持ち味を引き出す絶妙な塩梅。「すべて極上な状態で提供します」
漁師に理解してもらい共に成長
年間通じて鳥取の魅力を伝える
鳥取との県境にある兵庫県浜坂漁港が山田さんの本拠地。松葉蟹の水揚げ量は全国1位だが、品質は評価されていなかった。山田さんは漁師に、鮮度が高く瑕かし疵のない松葉蟹の素晴らしさを説き続け、高品質の松葉蟹料理の結果を漁師にフィードバック。漁師も奮起する。「漁師は命がけです。ただうまいだけの店ではなく、取った人の思いを食べに来てほしいですね」。ただ、かには季節もの。かにシーズン以外は「なつ吉」と称して、万葉牛などの鳥取県食材、浜坂漁港で水揚げされる新鮮な魚介類を、松葉蟹に負けない熱意で研究した調理法で提供。1 年を通じて鳥取の魅力を伝える努力を続けている。
いてがれいの一夜干し
3センチもの厚みがある新鮮なかれいを口を下にして天日に干す。魚の口から余分な水分がしたたり落ちて適度な塩味が生じ、うま味が凝縮。香ばしく焼いたものを頬張るとジューシーなおいしさがパッと口中に広がる。
黒アワビのステーキ
ふわりとした弾力を楽しみながらも、すっと噛みきれる黒アワビのステーキ。塩は使わず、アワビそのもののうま味、塩味だけで絶妙な味覚を構成する。肝醬油のソースを添えていただく。
かにすき
徹底的に吟味して仕入れた浜坂漁港の松葉蟹を使った「かにすき」。高価な材料を惜しげもなく投入した出汁をたっぷり使い、かにの身を最高の状態で食べられるよう、山田さんが目の前で調理してくれる。
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料理人のひとりごと
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監修商品
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お店情報
かに吉
| 所在地 | 鳥取県鳥取市末広温泉町271 |
| 電話番号 | 0857ｰ22ｰ7738 |
| 店舗ホームページ | |
| 営業時間 | Dinner 17:00-22:00 （L. O20:30） ※完全予約制 |
| 定休日 | 不定休 |
| 駐車場 | 無 |
| 料金 | Dinner＝25,000円〜 税・サービス料＝5%別 |
一緒に働いてくれる漁師、
30年前、両親が経営していたかに吉に戻り2代目を継ぐ。鳥取県境にある兵庫県の浜坂漁港で水揚げされる松葉蟹に惚れ込み、極上のかに料理を提供するために研鑽を続ける。かに料理の概念が変わるほどの卓越した技術で、国内外の著名人にもファンが多い。松葉蟹がない時期には日本海の新鮮な魚介類や肉を提供する。2019年ブロンズ賞受賞。1965年兵庫県生まれ。仲間に感謝、より一層精進したい