新潟県 鮨 登喜和
小林宏輔 KOBAYASHI Kosuke
これだけの魚種がそろっていれば
新潟県内産でも握っていける
10年前に東京の修業から戻ってきた小林宏輔さんが目にしたのは、寂れた新発田の街だった。自分の店だけで手いっぱいの商店街の若手には街の活性化に取り組む余裕はなかった。4年前に街場のすし屋からお任せだけの店に改装し、県外からも来てもらえる、「地産地消を意識した観光地としての鮨屋を目指そう」と考えた。素材となる地元の魚を求めて新潟県の北端の漁協に通ったが、漁師には無視され心が折れた。ここでくじける職人が多い中、小林さんは新潟漁協新潟支所の競り場に通うようになる。佐渡島を含め新潟県の北半分の港から魚介がそろう場所に出会えたことで局面が開けた。「これだけの魚種がそろっていれば県内産でも握って勝負できる」ことを確信した。
豊かな海の幸を硬質の米に乗せて
握る地元食材に対する愛情表現
鮨は硬めに握り、米も硬質の豊コシヒカリを使う。「新米が鮨になる」という普通考えられない米で、鮨をしっかり食べている感じが強い。佐渡の南蛮海老(甘エビ)やホンアラ、聖籠町の鰆、粟島のハタハタ、出雲先のクロムツ、寺泊のノドグロなど多くの魚種がそろう。新潟の春子は春は美味しくないけれど1年買い続けていたら秋に脂が乗って美味しいことに気づくなど、常識に捕らわれず年間を通して地場の魚魅力を突き詰める、これこそ新潟産食材に対する愛情の表れだろう。海老味噌をシャリの中に混ぜて臭いを消す、硬いバイガイをたたいて出る体液の臭さを梅肉と海苔で消す工夫など、新潟の鮨を美味しくする努力を怠らない。
佐渡 赤泊 南蛮海老
佐渡赤泊港は南蛮海老の代表的な産地。新潟県の海産物の中でも一番の特産品である南蛮海老を塩で締めて一夜干しにし、シャリの中に海老みそペーストを噛ませた握りは濃厚な海老の旨味が凝縮された一貫になる。
6月の佐渡産 黒鮪 定置 140キロ台 中トロ
3月からメジマグロが取れ始め、6月に大型のピークを迎える佐渡マグロ。定置網の漁が主流だが、近年は釣り物や延縄で漁をする船も増えてきている。佐渡特有の味や香りの濃さはシャリとの相性が抜群である。
準備中
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鮨 登喜和
所在地 | 新潟県新発田市中央町3丁目7-8 TEL |
電話番号 | 0254-22-3358 |
店舗ホームページ | https://tokiwasushi.top/ |
営業時間 | LUNCH=木・金曜 握りのみ 12:00一斉スタート 土・日曜 フルコース 11:30一斉スタート DINNER=18時または19時の一斉スタート 土曜のみ 17:30〜 / 20:30〜 2回転制 |
定休日 | 不定休 ※月〜水の昼営業はございません |
駐車場 | 準備中 |
料金 | LUNCH=8,800円~ DINNER=19,800円~ |
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年間を通して地場の魚の魅力を突き詰める
寿司屋の三代目として生まれながらも、一旦は飲食業とは違う世界を目指し上京。小料理屋のアルバイトをして料理の基本を学んだ。その後、寿司職人を目指し、魚問屋が営む魚真に入り修業を開始。2010年、鮨 登喜和へと戻り、17年のリニューアルを機に正式に三代目を襲名。21年ブロンズ賞受賞。1979年、新潟県生まれ。新潟産食材に対する愛情