滋賀県 徳山鮓
徳山浩明 TOKUYAMA Hiroaki
余呉湖畔の自称「自然天然料理人」、
自然の知恵が凝縮される
徳山鮓は滋賀県長浜市の余呉湖畔に立つ閑静な和のオーベルジュ。琵琶湖の北にある余呉湖は湖周6.4kmと小規模ながら、鰻、鮒、ワカサギ、手長エビなど四季折々に豊かな恵みが揚がる湧水湖。オーナーの徳山浩明さんは、漁獲にいそしみ山中を巡って山菜やきのこを採取する「自然天然料理人」である。「自然に寄り添うほどに知恵をもらえる」という。年によって季節の進み具合は異なり、得られる素材も変化する。それを日々肌で感じながら山川の恵みを手にし、無駄なく
使う方法、自然の力強さを発揮できる食べ方を考える。徳山鮓の料理には徳山さんの技術と菌の力、そして自然が教えてくれる知恵が凝縮されている。
伝統の鮒鮓を未来へ、食材の持続
可能性を含め将来像を考える
徳山鮓を代表する味が、奈良時代から近江の地に根ざしてきた伝統料理の鮒鮓だ。米と塩だけで魚介を乳酸菌発酵させる熟鮓の一つで、余呉湖産の子持ちの鮒を材料にする。「発酵は菌がしてくれる調理。レシピを決めても同じものにはなりません」。徳山さんはそこにおもしろさを見出し、自然に負うところの大きい伝統の継承に努めてきた。最近、長男の翔太さんが戻ってきて、長女の舞さんは結婚して娘婿の那由太さんが加わり、次男の敬介さんは狩猟免許を取得した。子供たちが全員揃い、次代の徳山鮓を担う体制ができた。徳山鮓の将来像だけでなく、余呉湖周辺の食材の持続可能性を含めて地域の将来像を描いている。
鯖熟鮓
温度調整した環境下で、お米を用いて乳酸発酵させた鯖の熟鮓。岡山県の吉田牧場のカチョカバロのチーズと発酵させたトマトのソース、実山椒をあわせて、まるでケーキのように仕立てた一品。
熊鍋
丸ごと一頭の熊を徳山鮓の解体処理場で解体し、部位を厳選してスライスした熊肉。徳山さんが研究開発してつくり上げた出汁とともに、しゃぶしゃぶで召し上がっていただく。
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料理人のひとりごと
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お店情報
徳山鮓
| 所在地 | 滋賀県長浜市余呉町川並1408 |
| 電話番号 | 0749 ｰ86 ｰ4045 |
| 店舗ホームページ | www.zb.ztv.ne.jp |
| 営業時間 | Lunch 12:00-14:30 Dinner 18:00-21:00 |
| 定休日 | 不定休 |
| 駐車場 | 有 |
| 料金 | Lunch ＝ 8,000円〜 Dinner＝10,000円〜 |
自然に寄り添えば寄り添うほど
実家は余呉湖畔の漁師民宿。京都の河繁で修業後、会社勤めを経て余呉湖畔の宿に勤務。そこで小泉武夫東京農大教授（当時）と出会い、近江伝統の食文化である熟鮓（なれずし）をはじめ、余呉周辺の素材にこだわる料理をこの地で提供していく重要性を説かれ徳山鮓を開業。地元素材を自分で集めて調理する滋賀の発酵食文化の第一人者。2015年ブロンズ賞、20年シルバー賞受賞。1960年滋賀県生まれ。調理の知恵を教えてもらえます