兵庫県 神戸北野ホテル
山口浩 YAMAGUCHI Hiroshi
単なる地産地消ではない
兵庫県食材へのこだわり
神戸市を都会と位置付けるか地方と位置付けるかで、料理そのもののコンセプトが変わってくる。神戸北野ホテルの山口さんは「京都、大阪と合わせて三都と言われるが、神戸は地方だと思っている」という。だから兵庫県の食材を使ってフランス料理の技法による地産地消の料理を神戸で提供するという方向性が出てくる。兵庫県は北に丹波を経て日本海があり、地元には瀬戸内海もある。明石や淡路島の海の幸も、神戸ビーフというハイブランドもある。瀬戸内海を挟んだ四国はもはや道でもつながる隣県であり、香川県で生産される瀬戸内キャビアを使う料理も、山口さんにとっては地産地消の範囲内に入ってくるのだ。
使いたい食材が出てきたときに交差する
地産地消は新しい料理を考えるときの軸
この道47年の山口さんだが、常に新しい料理を考え出す姿勢を保つ。使いたいと思う食材から発想することが多いという。例えば、明石は鯛やタコで有名だが、隠れた名品・明石海苔を主役にした料理。海苔にソテーしたフォアグラを合わせるところまでは思いつく。そこに地元の酒の名産地・灘の酒粕を使った甲南漬と言われる兵庫県の漬物を薄切りにしてフォアグラに載せ明石海苔でくるんだものを手に持っていただく。和とも洋とも言えないが、フランス料理の技法で明石海苔と地元食材を組み合わせた、神戸でなければ味わえない料理が出来あがった。まさに山口さんの料理哲学を表す一品と言える。
野菜のコンポジション
兵庫県摂津市産の野菜を中心に約30種類以上の素材を別々に調理して、最後にプレス仕立てにした山口シェフの代表的な料理。プレスした時に出たジュースを煮詰めて、はしばみの実のオイルで乳化させたソースを添えて。
朝食“Hyogolaise”
フレンチの巨匠ベルナール・ロワゾー氏から譲り受けた「世界一の朝食」のイメージはそのままに、vol.2として兵庫の食材にスポットをあてた朝食「ひょうごレーズ」。独自のルセットで作り上げたパテなど、ここでしか味わえない品々。
神戸髙見牛・人参
肉のうま味とソースのバランスが良い髙見牛のロースを、真空低温調理。牛テールでだしを取り、タマネギのピューレ、エシャロットを加えたソースで。
推薦している生産者はいません。
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監修商品はありません。
神戸北野ホテル
所在地 | 兵庫県神戸市中央区山本通3ー3ー20 |
電話番号 | 078-271-3711 |
店舗ホームページ | https://www.kobe-kitanohotel.co.jp/ |
営業時間 | Lunch 12:00-13:30(LO) Dinner 18:00-19:30(LO) |
定休日 | 無休 |
駐車場 | 16台 |
料金 | Lunch = 5,500円〜 Dinner=5,800円〜 税・サービス料込 |
お客さまが求めるものに寄り添い
国内のホテルで修業後、渡仏。フランスのラ・コート・ドールでベルナール・ロワゾー氏に師事し「水のフレンチ」を学ぶ。1992年ラ・コート・ドール神戸の開業にあたり料理長として帰国。2000年神戸北野ホテル運営会社代表取締役。オペレーションにおいて総支配人・総料理長。17年には卓越した技能者(現代の名工)を受賞、18年には黄綬褒章を受章した。15年ブロンズ賞、20年シルバー賞受賞。1960年兵庫県生まれ。一歩先を行くような料理を作る