京都府 京都吉兆
徳岡邦夫 TOKUOKA Kunio
自然環境の保全にも努めながら、
養殖による持続可能性を考える
「自然環境を整えて天然食材を確保することも大事ですが、それだけでは継続できない」。徳岡邦夫さん自身、天然食材の自然な味を求めて料理を作ってきたが、将来を見通すと養殖の技術向上で資源を維持することが重要だと認識するようになった。「海自体は今後も汚染され続けるでしょう。そうなった時にAIなど最先端技術を使い、水質などを管理して、クリーンで自然に近い環境を作れば、天然物よりも高品質な魚ができる可能性がある」。気候変動などの影響で従来の農法や漁獲法が通用しなくなる時代も予想される。「生産者を含めて食の関係者で、勉強会や情報交換できるプラットフォームを作ることがすごく大事です」
母親が自分の子供に食べさせたい
安全な商品を企業と共同開発
徳岡さんはこれまでも生産者や自治体と様々な取り組みを行ってきたが、「自治体と生産者と料理人だけでは変えられない」。企業と共同で、添加物を使わない安全な商品をより多くの人に届ける方が、社会的効果が大きいと考えるようになった。一例が香料・着色料・人工甘味料を使わず、天然食材由来の製造行程が明らかな材料のみで作り上げた江崎グリコ「アイスの実〈国産野菜シリーズ〉」だ。コンセプトは「お母さんが自分の子供に食べさせたい愛ス(アイス)」。社会が変わって、企業にも影響を与えて、そこに料理人の新しい役割が出てくる。「料理を作るだけでなく、積み重ねてきたノウハウで社会に貢献する」道があるのだ。
八寸
紅葉やイチョウを飾り、晩秋の風景を落とし込んだ八寸。カラスミ大根、肉しゃぶ巻き、車海老うま煮、銀杏、イカ黄身和えキャビアなど、海山川里の美味を少しずつ。一品一品に精緻な手仕事が生きる。
春の御椀「油目椀」
油目は関西における呼び名で、一般には“アイナメ”のこと。切り目を状態に合わせ程よく入れて葛叩きにすることで、見た目に美しく、食感や味わいも増す。吸口の独活の芽、干し子は、芳醇な香りを演出する。
夏の焼物「鮎の塩焼」
嵐山本店前を流れる大堰川では、夏になると鵜飼が行われる。コースの合間に、特別に仕立てた屋形船で食事を楽しむこともできる。京都の川で獲れた香ばしい鮎の塩焼きを、鵜飼にちなんだ“ 鵜籠”に盛りつけて。
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京都吉兆
所在地 | 京都府京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町58 |
電話番号 | 075 ー881 ー1101 |
店舗ホームページ | http://www.kyoto-kitcho.com/ |
営業時間 | Lunch 11:30-15:00(L.O 12:30) Dinner 17:00- 21:00(L.O 19:00) |
定休日 | 水曜日、年末年始 |
駐車場 | 5台 |
料金 | Lunch =40,000円〜 Dinner=50,000円〜 税金・サービス料 20%別 |
カウンターで食材の調理について相談しながら料理が楽しめる
Vineria.h(ヴィネリアアッシュ)
所在地 | 京都市下京区西石垣通四条下ル斉藤町140ー25 |
電話番号 | 075ー351ー2050 |
店舗ホームページ | https://vineria-h.com/ |
カジュアルな雰囲気で、フォアグラエッグ、トリッパが特におすすめ
Brasserie Café ONZE(オンズ)
所在地 | 京都市下京区木屋町通四条下ル斎藤町125 TEL |
電話番号 | 075ー351ー0733 |
店舗ホームページ | https://onze.blue/ |
おいしさを幸福感や楽しさへと
1980年、京都吉兆嵐山本店入店。吉兆の創業者である祖父・湯木貞一氏の下で本格的な修業に入る。大阪、東京での修業を経て95年より京都吉兆総料理長。2008年、洞爺湖サミットでメインの晩餐会を担当。09年代表取締役に就任。料理のみならず、質の高いサービスの創造や人材育成にも成果を上げている。14年ブロンズ賞、19年シルバー賞受賞。1960年大阪府生まれ。膨らませるストーリーを伝える