
岡山県 中国料理はすのみ
加藤 堅太郎 KATO Kentaro
中国料理技術で素材をどう生かせるか
最高の一瞬まで自分なりの答えを探す
「素材をマスキングするのではなく、その輪郭をくっきりと浮かび上がらせるために技術を使いたい」と、はすのみの加藤堅太郎さんは語る。中国料理は素材を軽んじていると見られがちな面があるが、「その評価を変えたいという思いも、今のスタイルを選んだ理由のひとつです」。良い素材があれば、余計なことをしなくていい。水と塩だけで煮込む玉ねぎや、ほとんど出汁を使わずに炊く魚など、引き算の調理で食材の中にある力強さや優しさを前に出す料理に惹かれる。厨房はカウンターの目の前にあるフルオープンの造りで、すべての工程をお客に見せるスタイル。限られたスペースと設備の中で、炒める・揚げる・蒸すといった基本的な技法を掘り下げ、火の入り方や油の温度帯を意識することで、「素材の持ち味を平均点ではなく、その瞬間だけの一点にまで引き上げていきたい」
この土地に、こんな良いものを作る人がいるから
使いたいという感覚を大切にしたい
加藤さんの考え方の基本にあるのは生産者への尊敬だ。単に良いものを作る人ではなく、その人柄や生き方が野菜や肉ににじみ出ているような生産者。真面目に、手間を惜しまず作られたものは、端材も含めてできる限り使い切り、端の端まで自分たちで美味しくいただことを心がける。近年、夏の酷暑など気候の変化によって、自然農法の畑では野菜がほとんど採れない年も出てきた。天候の厳しさは、そのまま食材の不安定さにつながる。料理人は、単に出来上がった食材を買うだけの存在ではなく、料理で出したい味を具体的に伝えることで、「生産者とともに次の世代の食材を育てていくべきだと感じています」。ブランド食材だから使うのではなく、「あの人が作ったから使う」。そうした選択の積み重ねが、地域の生産者を支え、ひいては地域全体の魅力を底上げしていくと信じている。

ハリイカと黄ニラの湯引き 発酵唐辛子ソース
瀬戸内のハリイカと岡山特産の黄ニラを合わせた一皿。ハリイカの特徴はさっくりした歯切れの良いテクスチャーにある。飾り包丁をし、黄ニラとともに瞬間的に湯引くことで、それぞれの食感を際立たせている。
オコゼの姿蒸し
オコゼを丸ごとシンプルに蒸し上げた一品。蒸すことによって旨味を逃さず、オコゼの特徴的なゼラチン質を楽しむことができる。海との距離が近い分、生きた状態の鮮度の良い魚をその日中に使用することができるという土地の強みを生かした料理。

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引き算で食材の中にある力強さや優しさを前面に出す中国料理
1997年、麻布長江に入社、2003年に麻布長江高松本店の料理長。2010年に中国料理はすのみを開業。ソムリエや薬膳師の資格を有する。JR西日本の豪華観光列車「瑞風」で昼食を提供するなど、瀬戸内の農水産物、酪農製品、岡山のワイン、地酒を日本国内や海外のゲストに食事を通して、岡山県の食材と料理をアピールしている。25年ブロンズ賞受賞。1974年、岡山県生まれ。