千葉県 五氣里
木村 藍 KIMURA Ai
疑似体験場所としての東京のお店
いすみ市に来てもらうことが目標
五氣里の料理長である川副藍さんはOL時代、給料を食べることにつぎ込むほど食べることが好きだった。フランス料理の非日常的な世界に魅了され、コルドンブルーに入学。「自分の強みはスタートが食べ手なので、こうしたら美味しいなという消費者目線があること」。フランス料理のテクニックを使ったシンプルで素材を活かした方法で作る料理。食材そのものの背景や生産者の思いを、料理を通して伝えることを大切にしている。日本最大の駅と言える池袋で食べ手の胃袋をつかんでいる川副さんだが、「最終目標はいすみ市でお店をやること」。地元の食材を最大限に活かして地産地消を追求し、生産者をはじめ地元の人が誇れる地域づくりにも貢献したいという夢がある。
美味しいの裏にある生産者の思い
を食べ手に伝えるための料理
親潮と黒潮がぶつかるいすみ沖の海は魚種が豊富でイセエビの水揚げも多い。里では無農薬・無肥料で米を作る農家、その米を使って日本酒を造る蔵元、循環型の酪農家やその生乳を使ったチーズ工房があり、ジビエ猟師もいる。「いすみ市の食材だけでフルコースが作れる」。サーフィンが趣味の川副さんは、海で朝日が昇る様子を見、漁師の網のごみ取りを手伝ったり約20軒の生産者を訪問したりと、軽トラックで軽快に駆け回る。朝から動いて夕日が海に沈む風景の中にいると、「いすみ市の自然の息吹を都会のお客さんに伝えたいと心底思う」。出身地のいすみ市に週2回戻ることは彼女の料理の根底にあるテロワールを伝えるために必須なのだ。
イセエビといすみ野菜
いすみ市の特産イセエビは長年お世話になっている「拓永丸」より。イセエビ漁の後の網の掃除を行う地域のサポートメンバーの一人「farmあき」では、網にかかった海藻を畑に持ち帰り、そのミネラルズで野菜を育てていて、その有機野菜とイセエビをとりあわせた一皿。
コノシロ・おかひじき・豆腐
全国で2番目に生物多様性に富む河川とも言われる夷隅川の投網漁に同行し捕獲したコノシロ、砂浜に自生するおかひじきと浜防風を摘み、岩場の幅海苔、深層水のにがりから作った豆腐。川から海への流れを一皿に表現した。
夷隅川天然鰻の炭火焼きと地這い胡瓜
産卵のために栄養を蓄え1年で1番身が肥えた状態の”くだり鰻”を竹筒で捕らえたもの。 胡瓜の原種、”地這い胡瓜”は自然栽培農家より。市内産の落花生、山わさびをアクセントに。
推薦している生産者はいません。
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監修商品はありません。
割烹かねなか
所在地 | 千葉県いすみ市大原1530-1 |
電話番号 | 0470-63-1133 |
店舗ホームページ | http://www.kanetomi.biz/category/1607283.html |
高秀牧場ミルク工房
所在地 | 千葉県いすみ市須賀谷1339-1 |
電話番号 | 0470-62-6669 |
店舗ホームページ | https://www.takahide-dairyfarm.com/ |
いすみ市の食材だけでフルコースが
東京女子大学卒業後、金融企業に勤務。結婚し専業主婦となるも、料理人を目指しル・コルドンブルー東京校で料理を学ぶ。卒業後は「ランスヤナギダテ」、「ラール・エ・ラ・マニエール」、「ゴードン・ラムゼイ(コンラッド東京)」で修業。2012年、池袋にCheval de Hyotanを開業。22年、故郷、千葉県いすみ市のいすみ大使就任。24年4月よりいすみ市にある「五氣里」の料理長就任。23年ブロンズ賞受賞。1981年千葉県生まれ。できるほど自然豊かなところです